IT業界で転職を考えている方の中には、未経験からエンジニアを目指すためにSES企業へ入社するケースも多くあります。
しかし、実態を知らないまま飛び込むと「経歴詐称」を強要されることがあり、
精神的にも大きな負担となります。
今回は、実体験をもとに経歴詐称を断ったらどうなるのか、そして逆に嘘をついた場合のデメリットを詳しく解説します。
ブラックSESで実際に起きたこと
私は非IT職からの転職で、インディードの求人経由であるSES企業に入社しました。
求人票には「自社の研修で学び、その後はチームでお客様のプロジェクトに参画」とありましたが、実態はまったく違いました。
- 最初の10か月は派遣社員として、某スマートフォンメーカーのカスタマーサポート業務
- 研修はなく、他社の学習システムでの自習のみ
- その後、経歴書の作成段階で「経験5年のJavaエンジニアとして書け」と指示される
つまり、実務経験がゼロなのに、5年の経験者として偽装しろという内容でした。さらに、経歴に合わせた面接対策、つまり嘘をつく練習までさせられるのです。
経歴詐称を断ったらどうなる?
私は経歴詐称を強く拒否しました。その結果、以下のような対応をされました。
- 案件の紹介が極端に減る
- 社内で冷遇される
- 「やる気がない」とレッテルを貼られる
結局、案件には一人でアサインされる形となり、サポートもほとんどなし。
孤独と不安の中で働くことになり、メンタルを崩して退職しました。
初めての常駐、そして孤独
面接は通り、いよいよ現場へ――しかし期待していた「チーム参画」ではなく、1人での常駐でした。
右も左もわからないまま、頼れる人もいない環境での業務。質問するにも誰に聞けばいいか分からず、毎日胃が痛くなる日々が続きました。
最終的に、メンタルが限界を迎え、退職を決断しました。
IT業界に夢を抱いて飛び込んだはずが、現実は孤独と不安と自己嫌悪の連続。まさに「ブラックSES」の洗礼でした。
経歴詐称をした場合のデメリット
逆に、経歴詐称を受け入れてしまった場合のリスクも非常に大きいです。
- 即戦力として放り込まれ、ついていけず炎上
- 嘘がバレた場合、契約解除や損害賠償の可能性
- キャリアが嘘で固められ、次の転職時に詰む
- 常にバレる恐怖と戦うことになり、精神的に消耗
短期的には案件に入れるかもしれませんが、長期的にはリスクしかありません。
もしあなたが未経験からITエンジニアを目指しているなら、私と同じ道を歩まないように注意してください。
- 研修の実態や配属先をしっかり確認する
- 「経歴詐称」や「嘘の面接対策」を求める会社は危険
- チーム参画の約束が守られないSES企業は要注意
まとめ:経歴詐称は断るべき、でも戦略を持て
経歴詐称を断ると、ブラックSESでは冷遇される可能性があります。
しかし、嘘をつけばキャリアも心も崩壊します。
もし同じ状況にあるなら、以下の対応をおすすめします。
- 早めに見切りをつける(まともなSESや自社開発企業へ転職)
- スキルを正しく積み上げる(資格や個人開発で実績作り)
- 経歴に嘘をつかない(長期的なキャリアを守るため)
私は経歴詐称を拒否して退職しましたが、今振り返れば正しい選択だったと思います。
短期的な仕事よりも、正直なキャリアの積み上げが未来への投資です。